はじめに

『私が感じたのは、手が焼けるような痛みです。私の手足にチクチクと針が突き刺さるような異常な感覚が起こります…ベッドから起きて、歩きだそうとすると、一層針が足をつついているように感じるのです』
(患者)ファブリー病は遺伝性の希少疾患で、不必要な糖脂質が体内で分解されず、それが細胞内に溜まるようになります。
ファブリー病は、その症状は多彩であり、特異的ではないことから気付かれなかったり、誤診されたりすることが多く、多くの方々はこの疾患のことをあまり知りません。初期の症状として、手足の疼痛、皮膚の発疹、消化器の異常などがあり、病気が進行すると、腎疾患、心疾患または脳卒中など、様々な疾患を合併することがあります。そこで、腎疾患、心疾患および脳卒中などはファブリー病によるものかどうかを明らかにする必要があります。ファブリー病の患者は一般集団に比べ、平均寿命が短くなっています。
ファブリー病は進行性、すなわち各種臓器で不必要な糖脂質が長期間継続して蓄積するため、臓器ごとに症状が悪化していきます。そのため、できる限り早く診断、治療をし、重篤な合併症が発症するリスクを軽減させることが重要となります。また早期診断により、この疾患に罹患する可能性のあるご家族も診断可能となります。
このeBookについて
このeBookは、ファブリー病に対する理解を助けるために、Idorsia Pharmaceuticals Ltdが作成し、日本語版に編集したものです。このeBookでは、ファブリー病の原因・管理等の最新情報を患者さまだけでなく、ご家族さらに介護者の皆様にも役立つ情報として提供します。
ファブリー病の理解

『私の場合、女性なので疼痛は鎮痛剤でほぼコントロールされています…なので、私の兄弟が経験しているような本格的な疼痛を感じていません。』
(患者)ファブリー病とその原因
ファブリー病は約50種類あるライソゾーム病のひとつです。これらの疾患は、ライソゾームとして知られる細胞内器官の機能が損なわれており、ライソゾームの機能が損なわれると、不必要な糖脂質が適切に処理されず、からだの様々な臓器に溜まり、様々な障害をもたらします。
ファブリー病はX染色体に存在するα-ガラクトシダーゼAをコードする遺伝子(GLA遺伝子)の異常が原因です。通常、この遺伝子は特定の酵素、すなわちα-ガラクトシダーゼの産生に関与しています。この酵素は主にライソゾームにある糖脂質グロボトリアオシルセラミド(Gb3)の分解に関わっています。
ファブリー病の患者では、この酵素の活性が低下あるいは欠損しているためGb3が分解されず、細胞内に溜まります。時間とともにGb3がからだの中、特に腎臓、心臓および脳血管系組織に溜まり、多彩な症状をもたらします。それらの症状は、臓器がどの程度傷害を受けているかに応じて、手足の疼痛症状から腎不全、心疾患および脳卒中へと進行することがあります。
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+ ファブリー病の種類
ファブリー病は重症の古典型と、遅発型または症状の軽いタイプの非定型異型に分類することができます。
- 古典型は、Gb3を分解する酵素の機能が低下または全くない男性患者で小児期に始まり、比較的早く臨床症状は進行します。古典型ファブリー病の小児は一般に、手足の疼痛、皮膚および消化器障害などのファブリー病特有の症状を示します。臓器症状が進行すると後に思春期および成人になってから、特に腎疾患、心疾患または脳卒中を合併します。
- 遅発型(非古典型)は症状を示す人から、ほとんど症状を示さない人まで、疾患経過のばらつきが大きいことが特徴です。非古典型の患者は概ねそれほど重症ではありません。症状の発現は、例えば心臓など、単一臓器に限られることがあります。非古典型の患者では若干の酵素活性が残っており、病気の進行が緩徐であり、一般に発症年齢が遅く、小児期および思春期には症状はみられません。
これらの症状は長期間、時には数十年にわたって進行し、末期腎不全、もしくは心臓または脳への生命を脅かす合併症をもたらし、著しい生活の質の低下や突然死に至ることもあります。
ファブリー病はどのように遺伝するのか?
病気を引き起こす異常な遺伝子は性別を決定するX染色体上に存在し、男性はX染色体を1本、女性は2本有しています。病気を引き起こす異常な遺伝子をX染色体上に持っていると男性の方が一般に重症であり、女性では病気を引き起こす異常なX染色体上の遺伝子は正常なX染色体上の遺伝子と細胞にモザイク状に存在するため、女性患者でも重症な症状を有する患者と軽症または無症状の患者が存在します。今日ではリスクの高いすべての女性は、たとえ明らかな症状がなくても、Gb3の蓄積を遅らせるために検査や治療を行うことが推奨されています。
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+ 遺伝子検査の役割とは?
- 遺伝子検査は特定遺伝子での遺伝子変異があるかどうかを診断します。
- 血液または組織検体を用いて、ファブリー病を診断するのに使用されます。
- 遺伝子検査は通常、ファブリー病と診断された人の家系調査も当該疾患を有しているかどうか調べるために推奨されます。
- 遺伝カウンセリングは、遺伝性疾患の患者やその親族、あるいは遺伝について不安や悩みを抱えている人を対象としています。そのような心配をされる人に、遺伝に関する情報を提供し、また遺伝子診断を受けるべきか否か、どのような治療を選ぶかなどについて、自身で決断するために役立ちます。
ファブリー病はどれくらいの頻度で生じ、誰が罹患しているのか?
ファブリー病は、人種や民族に関係なく罹患する希少疾患です。
古典型ファブリー病の発症頻度は、男性は約4万人に1人です。女性患者は理論的にはその倍の頻度です。
ファブリー病の兆候および症状
ファブリー病の症状はすべての症状が必ず出るとは限りません。他の疾患の症状と似ていることがよくあり、たびたび誤診されることがあります。どの臓器に糖脂質が溜まるかによって、多彩な症状がみられ、またその主症状は患者により異なります。
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+ 早期症状
- 灼熱感、電撃痛、ピリピリ感、しびれてチクチクする感じ、突き刺すような感じおよび/または手足のしびれによる神経障害性疼痛がみられます。疼痛は持続的であったり不規則に生じることがあったり、暑さや寒さ、発熱および/または運動が引き金になることもあります。
- 暑くても汗をかきにくくなり、不快感を引き起こします。
- 皮膚発疹
- 腹痛、下痢、腹部膨満感および悪心などの消化器障害
- 眼の角膜の変化、見え方が不鮮明になる
- 疲労
- 頭痛および浮動性めまい
- 難聴
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+ 遅発症状
- 腎疾患:タンパク尿増加、腎線維症、腎硬化症から末期腎不全に至る
- 心疾患:不整脈、呼吸困難、心虚血、狭心症、左室肥大、心筋線維症
- 神経系疾患:脳虚血発作、脳卒中および血管性認知症
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+ 平均余命
- 末期腎不全、若しくは心臓または脳において生命を脅かす合併症を来し、 著しい生活の質の低下や突然死に至ることもあります。
- ファブリー病の患者の登録データによると、ファブリー病の男性患者の平均余命は58.2歳であるのに対し、一般集団では74.7歳です。ファブリー病の女性患者の平均余命は75.4歳であるのに対し、一般集団では80.0歳です(2008年8月現在)。
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+ 神経障害性疼痛
- 神経障害性疼痛 – 通常、四肢の神経と関連する疼痛-はファブリー病の「古典的」症状のひとつです。
- 多くのファブリー病の患者では、疼痛が生活の質に最も影響を及ぼす症状のひとつであり、ファブリー病の早期診断指標です。
ライソゾーム病とは?
- ライソゾーム病は、細胞内のライソゾームに存在するさまざまな加水分解酵素の活性低下または欠損により代謝が障害される先天性代謝異常症です。細胞内のライソゾームには数多くの脂質、糖質、糖脂質、ムコ多糖などを分解する加水分解酵素が存在しますが、これらの酵素が欠損する約50の疾患が知られています。代表的な疾患としてファブリー病のほかに、ゴーシェ病、ニーマンピック病、ポンぺ病、ムコ多糖症などがあります。

ファブリー病と遺伝

ファブリー病の主な症状

ファブリー病の診断と治療

「高校生の時、何回か激痛に見舞われ、どうしようもなかったことを覚えています。悪いところはどこにもみられませんでしたが、手の腫れ、灼熱痛、かゆみを感じました… どう対処すればよいかわかりませんでした」
(患者)ファブリー病の診断に至る経路は2通りあります。患者が自分の家族の中で最初に診断を受ける場合、あるいは家族の他の者がすでに診断されているため検査を受ける場合です。
家族で2人目の場合は、ファブリー病がすでに疑われており、簡単な遺伝子的検査で診断ができるため、通常比較的速く、容易に診断がつきますが、1人目の場合、診断に至るには時間がかかります。また、女性の患者の診断は難しいことが多いです。
この希少疾患についての認識が低いこと、そして他の疾患と間違う可能性のある特異的でない症状のため、ファブリー病を適切に診断できる専門医に紹介されるまで、何年も診断されず苛立ちと健康状態の悪化を抱えたままであることがしばしばみられます。
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+ ファブリー病の診断方法
ファブリー病が疑われた時点で、3つの遺伝子検査を行いファブリー病を診断することができます。
- 遺伝子検査は、ファブリー病に関与するα-ガラクトシダーゼAをコードする遺伝子(GLA遺伝子)に疾患の原因となる変異が存在しているかどうかを明らかにします。現在まで1000以上のGAL遺伝子変異が同定されています。
- 酵素学的検査は、血漿または白血球内にα-ガラクトシダーゼA(α-GalA)活性がどれだけ存在しているかを明らかにします。α-GalA活性が著明に低下していれば、ファブリー病の可能性が高くなります。
- バイオマーカー検査は、血漿または尿にGb3、Lyso Gb3の値が一定レベルより上昇していれば、ファブリー病の可能性が高くなります。
臨床検査および理学的検査は、以下のとおりです。
- 理学的検査:皮膚発赤、眼の病変、不整脈および他の手掛かりを調べます。
- CTおよび心エコー:左室肥大、心拡大あるいは他の心臓または血管系の異常を調べます。
- 超音波検査(または超音波画像):高周波数の音波を使って体内を探査します。
- 腎機能測定:血液および尿の生化学的測定に基づいて、腎臓が適切に機能しているかを調べます。
- MRI:脳内の画像の変化を検出します。
- 神経学的検査:脳卒中病変によって生じた潜在的障害を調べます。
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+ 家族歴および出生前診断
- ファブリー病のような遺伝性の疾患では、ひとりの患者を診断すると家族内の他の人の診断をすることが容易に可能になります。
- ファブリー病の既往歴がある場合または家族内で新たに診断された場合、すべての血縁者がファブリー病の検査を受けるよう薦められます。
- 出生前診断は羊水中の細胞を用いて行うことができることから、出生前にファブリー病の検査を行うことも可能です。
- 遺伝子検査の過程を通じて家族や妊婦に救いの手を差し伸べるために、遺伝専門医または遺伝カウンセラーのサポートおよび遺伝カウンセリングを利用できます。
ファブリー病の治療は?
ファブリー病の根本治療法はありませんが、その進行を遅らせ、症状をコントロールする治療は可能です。早期診断が不可欠であり、それにより患者と家族は早期から専門家のケアを受け、生活の質を維持するための治療を開始し、腎不全や心不全あるいは脳卒中などの重篤な合併症のリスクを軽減させることが出来ます。
現在、ファブリー病の症状を緩和するための治療、あるいは疾患そのものを治療することを目的としたいくつかの医薬品が承認されています。後者に関して、Gb3の蓄積を抑制する2つの治療法があります。
- 酵素補充療法(ERT)は、遺伝子の変異に関係なく、ファブリー病の患者の細胞内で欠損した酵素を補充することを目的としています。
- シャペロン療法は、一部のファブリー病の患者において、細胞内に残存する酵素活性を増強することを目的としており、治療効果は遺伝子変異に依存的であります。
ファブリー病に関わるいろいろな治療法の効果を検討するために臨床試験が行われており、今後新規医薬品の開発が期待されています。
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+ 酵素補充療法
- 酵素補充療法(ERT)は、ファブリー病により欠損していたり、正常に働いていない酵素を遺伝子工学的手法で作製したタンパク製剤を治療薬として使用します。
- ERTは小児および成人のファブリー病の患者に2週間ごとに静脈内点滴します。
- ERTの目的は、ある種の症状の緩和と、腎臓や心臓などの重要な臓器への障害の進行を防止することです。
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+ シャペロン療法
- シャペロン製剤は、「amenable(反応性のある)」変異と呼ばれるある種の変異を有する一部のファブリー病の患者の細胞内の酵素活性を増強するように考案された低分子化合物です。
- シャペロン療法は16才以上のファブリー病の患者に投与することができます。
- シャペロン療法は隔日に投与する経口療法です。
- この治療の目的は、ある種の症状の緩和と、腎臓や心臓などの重要な臓器への障害の進行を防止することです。
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+ 症状の管理
ファブリー病の症状をコントロールする幾つかの選択肢があります。
- 神経障害性疼痛を軽減させるための、一般用薬および処方箋薬の鎮痛剤
- 腎機能を保持/保護するのを助ける医薬品
- 進行した腎不全症例における透析および腎移植
- 不整脈を防止または軽減させるための治療
- 進行したうっ血性心不全症例に対する心臓移植
- 脳卒中のリスクを軽減するための、アスピリンやワルファリンなどの抗血栓薬
- 脳卒中後または心臓発作後リハビリテーションを支援するための理学療法
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+ ファブリー病の治療にはどの科の医学専門家が関与しているか?
ファブリー病の治療は通常、ひとりの専門家または専門家チームにより実施されます。専門家は、患者の年齢や症状によって異なります。以下に示すような一連の医学専門家がファブリー病の患者のケアに関与します。
- 腎臓科医(腎臓専門医)
- 循環器科医(循環器専門医)
- 肝臓科医(肝臓専門医)
- 胃腸科医(消化器専門医)
- 小児科医(小児専門医)
- 神経科医(神経専門医)
- 臨床遺伝医
- 精神科医(精神専門医)
- 専門看護師
- 心理士(人の感情および行動の専門家)
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語療法士
- 遺伝カウンセラー
ファブリー病は年齢と共にどのように進行するか?

ファブリー病の負担

「私は配送運転手をしていますが時々手足のしびれによりケースを配達するのが困難になります… 今のところまだケースなどの品物を持ち上げることはできますが、小刻みに手が動きます… 時折それをコントロールするのが難しい時があります」
(患者)疼痛および疲労などの身体症状は、ファブリー病の患者の日々の活動に深刻な影響を及ぼすことがあります。当該疾患の感情面および社会的な影響は、まるで人生を変えるようなものと言えます。また影響を受けるのはファブリー病の患者だけではないことを忘れてはいけません。家族や友人もこの疾患によって影響を受ける可能性があります。
症状が予測不能であること、脳卒中などの重篤な合併症の長期的な影響、複雑な治療および頻繁な診療を考えると、ファブリー病の患者はフルタイムで働くことが難しかったり、全く働けない場合もあるなど、就労に影響することがあります。就労していない場合、または自分の子供の具合が悪くて両親が休みを取る必要がある場合など、個人や周りの家族に金銭的な問題が生じる可能性があります。
症状や治療に合わせて仕事をすることは可能なので、雇用主に当該疾患について話しておくことが必要です。ソーシャルワーカーや患者団体から、その国のファブリー病に罹患した家族に適応される給付に関するアドバイスを受けることができます。
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+ 診断の受け入れ
- ファブリー病の診断を受け入れることは難しいことですが、当該疾患についていろいろ学び、ファブリー病という疾患にうまく対処することが必要です。
- 多くの人々はファブリー病のことを聞いたことがないでしょう。しかし、診断を確定するまでの間何年も苛立ちを募らせたのちに、自らの病名を知り安心することがあります。
- ファブリー病は遺伝性であることから、中には自分の子供にこの疾患を伝えたことに対する罪悪感を感じる親や、家族内でさらに疾患を診断されることを恐れる親もいます。
- 重篤な疾患に対する感情の高ぶり、身体的および金銭的負担は、家族の生活または関係者に影響を及ぼすことがあります。
- 患者が、専門家医学チームや地域の患者団体からアドバイスを受けられるように、ファブリー病に対するサポートやカウンセリングについて知っておくことが重要です。
小児への影響
ファブリー病は、定期的な診療予約や病気の治療のために休みを取る必要があり、小児および若年成人の教育に影響を及ぼすことがあります。小児のファブリー病の患者ではこの疾患による疼痛や疲れのために、学校でのスポーツなどの身体活動に参加するのが困難になることがあります。その結果、小児や若年成人のファブリー病の患者は仲間から孤立してしまう可能性があり、友達と「歩調を合わせる」ことができないとみられたり、「変わり者」と思われ疎外されたりします。
病院の診療予約のスケジュールを立てること、体育の授業について対処することや、他の生徒への病状の説明の仕方など、両親や患者が学校と話し合いの場をもつことが必要です。
「在学中、何回か激痛に見舞われ、どうしようもなかったことを覚えています。誰でもわかるような悪いところはどこにもみられませんでしたが、手の腫れ、灼熱痛、かゆみを感じました… どう対処すればよいか – 何が役に立つかわかりませんでした」
(患者)ファブリー病の管理に関する手引き

「前向きでいるように努めてください…しかし、病気は精神面にも影響があり、疲れてしまいます」
(患者)ファブリー病の患者がより効果的に病状をコントロールし、本疾患を抱えていくことについて前向きになる手助けができます。時として苦しい思いや辛い思いをすることは自然なことです。友達や家族がどのように手助けすべきかわからない場合があり、彼らが適切なサポートを受けるために何が必要か、正直に話すことが最良です。個々の診断は家族内での診断につながることがあり、家族全員が遺伝子検査およびカウンセリングを受けることが重要です。
ファブリー病についてできる限り多くを学ぶことは、ファブリー病の患者が、自らの健康についてより多くの情報に基づいた決断を下すのに役立ちます。しかし、文献やオンラインの情報は膨大で、時には矛盾している情報があるのも事実であり、患者が情報を収集する心構えができているときに、患者自身にとって最適なペースで学ぶことが重要です。小冊子、ビデオおよび患者団体からの最新ニュースなど、信頼でき理解しやすい情報を手に入れると良いでしょう。
次の診療時に医学専門家と話し合うべき質問事項について書き留めておくことも有用です。
支援を求める
同じような経験をしている人達と話したり、そのような人達から学んだりするのに、支援グループの会合またはオンラインフォーラムが非常に有益となることもあります。ファブリー病の患者の家族に対する支援レベルは国によって大きく異なりますが、地域の団体や医学専門家に便益、助成金、社会サービスなど、利用可能なことについて尋ねるのが良いでしょう。
専門家からのケアに加えて、ファブリー病の患者は感情面のカウンセリング心理士を含めた他の学際的チームへの紹介によっても恩恵を受けることがあります。
生涯にわたる進行性の疾患であると診断されて、ショックを受け、悲嘆にくれるのは当然ですが、それでもなおファブリー病の患者が実りある幸せな生活を送ることができると知ることが大切です。ファブリー病をかかえていると物事の実行や達成が困難な時もありますが、現実的な目標を設定し、可能なことに焦点を当てることで、前向きな気持ちを維持できるでしょう。他のファブリー病の患者の家族と話すこと、ファブリー病という難局に対処する方法について意見を交わすことは、新たな現実に適応するのに役立つことが多いようです。
いくつかの患者団体は詳細な情報、具体的なアドバイスおよび貴重な支援を提供しており、患者や家族がファブリー病をかかえながら充実した人生を送るための支援に力を注いでいます。
世界中の団体の一覧は、Fabry International Networkのウェブサイトで見ることができます。 www.fabrynetwork.org/members
疼痛の管理
- 疼痛は、非常にコントロールが困難なファブリー病の症状のひとつであり、苦悩と身体障害の連鎖を引き起こすことがあります。
- 生活の質に及ぼす重大な影響を考えると、疼痛軽減はファブリー病治療の主要目的のひとつであり、治療の成功の目安です。
- 鎮痛薬に加えて、次のようなことが有用です。
- ある種の激しい活動を避けること
- 天候条件の変化に前もって備えること
- 水や他の飲み物の摂取を増やすこと
- リラックスすることができ、否定的な思考パターンを断ち切る方法をとること

免責事項
この資料は、ファブリー病についてのより良い理解と、これらの疾患の状態、診断手順、治療法および疾患による生活への影響に関する情報を提供することを目的に Idorsia Pharmaceuticals Ltdが作成したものです。この資料は一般の方の利用のためのものです。
この資料にある情報は、医師のアドバイスや治療に取って代わるものではありません。本提供情報は、医師や薬剤師からのアドバイスの代替ではなく、診断、治療の開始や中止の判断に用いるべきものではありません。
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